2025年最後の九州場所。

一つの花道で生まれた「涙の抱擁」が、静かに相撲ファンの胸を震わせました。

勝負を終えた安青錦を、そっと迎え入れた付き人・魁佑馬（かいゆうま・浅香山部屋）。

ふたりは力士でありながら、その姿はまるで兄と弟、あるいは同志のようでした。

しかし、あの時の涙には単なる「頑張ったね」の一言では片づけられない理由があります。

この記事では、相撲界をよく知らない人でもわかるように、心揺さぶる背景と「涙の抱擁」の真意を丁寧に紐解いていきます。

1. 安青錦の 涙の付き人は誰？

安青錦関と花道で抱き合ってた付け人は、浅香山部屋の「魁佑馬」くんです！
ホントにいい子で、一門が一緒の後から入ってきた安青錦関を、巡業からずっと支えて来ました😭
私が言うのもですが、ぜひ応援してあげて下さい🙌#魁佑馬 #浅香山部屋 #ベイスターズファン #安青錦 pic.twitter.com/KApJ1cSNwW

— 浅香山後援会員のつぶやき（あさつぶ） (@asakayama_fan) November 23, 2025

あの涙の主は、
浅香山部屋所属・魁佑馬（序二段）。

安青錦の身の回りを支える付き人であり、誰よりも彼の稽古・体調・心の状態を近くで見てきた存在です。

魁佑馬は記者の問いにこう答えています。

この言葉からもわかるように、魁佑馬は安青錦を「単なる関取」ではなく、憧れの力士・精神的支柱として捉えているのです。

だからこそ、勝負を終えた瞬間、抑えていた感情があふれ、あの抱擁になりました。

2. なぜ浅香山部屋の付き人？

＜千秋楽の様子＞
三賞受賞
技能賞を獲得した安青錦。

左から
魁佑馬 、安青錦、安響#sumo #相撲 #名古屋場所 #七月場所 #支度部屋 pic.twitter.com/8kkvkAAMgp

— 日本相撲協会公式 (@sumokyokai) July 27, 2025

安治川部屋と浅香山部屋は「同じ一門」

「なぜ自分の部屋の付き人じゃないの？」と疑問に思った方も多いでしょう。

その理由はシンプルで、相撲界ならではの慣習に基づきます。

つまり、両部屋は兄弟関係のような立場なのです。

一門間では、力士の数・番付・稽古の環境を見て、負担が偏り過ぎないように付き人を融通し合います。

これが 「相撲界の流儀」。

安治川部屋は力士数（５人）。

ところが、安治川部屋が創設されて僅か３年。付き人の経験者は誰も未経験でした。

関取に対して付き人の数が足りないというより、安青錦さんの出世が早すぎたのでしょう。

そこで、同じ一門の浅香山部屋がサポート役を担っているのです。

3. 浅香山部屋の付き人の「誇り」

浅香山部屋は、付き人の質に定評があります。

他部屋の関取からも信頼されるほどで、「一門における付き人のエリート集団」と言っていいほど優秀です。

そんな環境で育った魁佑馬が、安青錦をリスペクトするのは自然なこと。

付き人にとって関取は「自分の相撲人生を映す鏡」です。

努力を重ねる背中を毎日近くで見ているからこそ、勝負を終えた瞬間の涙は、単なる感情ではなく誇りと感謝の証なのです。

4. なぜ、あの抱擁は多くの人を泣かせたのか？

日本相撲協会は２６日、臨時理事会を開き九州場所で初優勝した安青錦の大関昇進を満場一致で決めました。昇進伝達式は、安治川部屋の宿舎がある福岡県久留米市の水天宮で行われました。

写真特集　https://t.co/99ZoKfXg6J pic.twitter.com/0ioAPheXLE

— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) November 26, 2025

あの瞬間が「泣ける」と言われたのは、二人の関係が「上下関係」の枠を超えていたからです。

大相撲は実力の世界、強くなろうと思ってもそう簡単に慣れる世界ではありません。

魁佑馬から見れば、すべてにおいて憧れの存在です。

安青錦は、付き人に対して決して威張らず、むしろ一人の男として向き合い、苦しい時期も隠さず伝えるタイプ。

魁佑馬は、ただの「サポート役」ではなく、格の違いはあっても安青錦の戦いを共に支える同志 として側にいました。

その関係性が、最後の抱擁という形で目に見える「絆」になった瞬間だったのです。

安青錦の女将さんはどんな人？

安青錦の四股名の意味がわかりますよ。

まとめ

安青錦と魁佑馬の抱擁には、相撲界の文化、人としての誠実さ、一門の支え合い、そして「男の背中に惚れた付き人」の感情すべてが詰まっています。

この記事を読んだ人が
「安青錦って、ほんとうにすごい関取です」
と感じてくれれば、それで成功です。